あなたの毎日に凸凹を。

ノイズに埋もれた毎日を送っていませんか?

「知善説」と「知悪説」

「ブラフ」という言葉を知っていますか?
 
この言葉が市民権を得始めたのは最近のこと。
 

ブラフ=bluff

 戦略的なはったり、空威張り、ホラ吹き

 
 などの意味だそうだ。
 
営業や商談で、有利なポジションをとるためのブラフ。
ある程度戦略的なブラフならば、多少のホラは許されるといった
ところもなきにしもあらず。
ビジネス用語としても使われるようになった。
 
 
某国の某大統領がブラフを多発したのは記憶に新しいが、
そのブラフを見抜けない人が多いことに驚いた。
 
ブラフ(ウソ)が当たり前の世界になると、
人が人を信じられなくなり、どんどん悪い方向に流れていく。

一定以上の知性があるはずの人たちの間で、

不思議なほど「陰謀説」が広がっていく。

 
 
さて、そう考えると、人の本性は、性悪説性善説か。
 
中国の戦国時代の思想家の荀子(じゅんし)は、
 
 人の性は悪なり。その善なるは為なり。

 =「もともと人の本性は悪(弱いもの)で生まれてきたが、生まれたあとの教育によってその心を善に変えることができる」

と説いた。
 
そう、荀子は「性悪説」の提唱者といわれるが、
実は「知善説」の人なのだ。
 

f:id:a-netfarm:20201215065151p:plain

荀子の考え方
 
 
 
現代になって、誰もが平等に教育を受けられるようになり、
道徳の授業も増えてきたのに、
どうして「悪」は消えないのだろう。
そして、「ブラフ」を見抜けないのだろう。
 
世の中の流れが、
「ちょっとした悪はOK」となっていないだろうか。

f:id:a-netfarm:20201215065220p:plain

最近の流れ
たとえば、
・出張に行ったときのマイルは自分のものにしてOK

 ・いただきものをメルカリで売るのはOK

・gotoキャンペーンのクーポンをもらって使うのはOK

・ちょっとしたうわさ話を他人に面白く話すのはOK

・不機嫌なときには話しかけられても返事しないのはOK

 
など、このへんの知性は裏ワザ程度として
許される範囲のものだろう。
 
それが、
・架空の出張をつくってマイルを稼ぐ

 ・盗品だとわかっているものをメルカリで売る

・gotoのキャンペーンのクーポンをゲットして即キャンセル

・人の話が「ウソ」だとわかっているのに、YouTubeTwitterなどで

それを誇張して広める

・意図的にひとりの人を徹底的にシカトする

 
などになると、
それはもはや「悪」だ。
 
自分ではちょっとした知恵を働かせたつもりが、
知らず知らずのうちに、どんどんと悪の道に進んでしまう。
ウソがウソを呼び、ブラフがブラフを呼ぶ。
今、その流れが加速していることが恐ろしい。
 
 
もう一回、立ち止まって考えたい。
 
「知性を《善》のために使う。」
 
それには、強烈な意思の力が必要だ。
 
生まれつき善か悪かは関係ないのだ。
 
知性を《善》のために使う。
 
そのことを毎日一回、考えていきたい。
 
一日一善とはいうけれど、
なにも善な行動はできなくてもいい。
 
ただ、
「自分の知性を《悪》の方向に使わない。」
 
その決意があるだけで、世界は良い方向に向かっていく。