【〈孤独〉と〈つながり〉を愛する上質なフィクション7冊】
あなたのために、孤独と向き合いながらも、人とのつながりの素晴らしさを描いた上質な小説(フィクション)を中心に7冊セレクトしてご紹介します。
お手にとる機会があれば、ぜひ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さよなら渓谷」、「悪人」や「怒り」などでおなじみの
吉田修一さんは、私とまったく同い年、しかも同じ長崎県生まれ。
村上春樹さんは現代都会人の孤独を描くのが得意ですが、
吉田修一さんは、地方でくすぶるブルーカラー世代の孤独を描かせたらピカイチの方です。
息がつまる田舎から、都会に逃げ出した、
でも都会にも居場所はない。
どこに居場所があるのか…。
もっと上手に世渡りできればいいのに、それができたらこんなに苦労はしない。
そんな中でも、不器用な主人公が、ひたむきに打ち込む何かをみつけるという
3つの短編集です。
3つともそれぞれ違うテーマ。
でも、どれも「これ、吉田修一さんが自分のこと書いてる?」
と錯覚してしまうくらいリアル。
男性性と女性性の衝突と、都会と田舎の衝突。
それが、淡々とした日常の中から「はっ!」と出てきます。
どれも正解はなく、それでも矛盾を抱えて生きていくしかない。
このフィクションの中のノンフィクション、
ノンフィクションの中のフィクション。
ぜひ読んでいただきたいです。