もう20年ほど前に、ロシアのサハリンを旅行したことがあります。
あの頃は、共産主義が崩壊して、ようやく民主主義に舵をきったところ。
町の空気は、昭和初期の日本がそのまま残っている感じでした。
サハリンの人たちは、共産主義的なお仕事のときには
つるっと能面のような感情のない表情をまといます。
それが、少し仲良くなっておしゃべりできるようになると、
とたんに凸凹になります。
しかも、それぞれのキャラが濃い〜い!!
日本なら問題だろう?と思うくらいに、
表情豊かに突然歌いだしたりエッチなジョークを連発するおじさん。
そんなおじさんをびしっと厳しくとりしまるお姉さん。
まったく気にせずちょっと天然で好奇心旺盛なおばさん。
信じられないくらい生真面目で、でもなぜかお金に細かいおにいさん。
そして、みんなそれぞれが、それぞれのキャラクターを否定することなく
認めあっている空気がありました。
あー、こんなふうに凸凹でみんながそれぞれの姿で過ごせたらいいのにな。
きっと、昭和初期の日本はこんな感じだったんだろうな、と感じました。
そして今、たまに都会を歩いていると、
みんな共産主義の顔をまとったサハリンの人のように、
つるっとした表情をしていることが気になってしまいます…