ほんとうに不思議に思うんだけど。
いくら目を凝らしていても、
芽が出る瞬間を見ることはできない。
葉が開く瞬間を見ることはできない。
花が咲く瞬間を見ることはできない。
気がつけばそこに、前からあったかのように
芽は出ていて、
葉は緑になり、
花が咲いている。
美しい花が咲いていたとき、
人は、それを「キレイだ」としか
みないのだ。
でも、誰かが(あるいは天の神様が)、
土を耕し、肥料を与え、
種をまいて水をやったからこそ、
花はそこにある。
花が咲く瞬間に、
「あなたのおかげで咲けたのよ!ありがとう!」とか
「いま、○○さんが手塩にかけた花が開きました!」とか
アナウンスしてくれたなら、
人はもっと、花を愛するだろうか?
そうではないのだ。
花は、ひっそりと静かにそこに咲く。
「結果が出る」、というのは、そういうもの。
人知れず、こっそりと結果が出る。
その結果をみて、
「自分が種をまいたからだ」と
自分の心の中だけでつぶやき、
「がんばってよかったね」と
自分自身をぎゅっと抱きしめてあげたいですね。
そして、世界中に咲くたくさんの花たちを見て、
「ああ、誰かが人知れず世話をしてくれたんだな」
と感謝したい。
そのことに気がつけば、この世の中がとても良いところにみえるでしょう。